その息尽きるまで時間は無限
「きゃっ?!」
佳凪の悲鳴が教室に響く。
「いっ…たっ…!真?!あんた何して…」
「なっ、佳凪!ちげえって!こっ、こいつがよけるから佳凪にあたっちまって…!」
「は?!あんたね!」
佳凪が怒りの矛先を私に変えてきた。
「濡沢!!あんたのせいで私怪我したじゃない!どーすんのよ!あーもーやだ。お父さんとお母さんに説明しなきゃ〜。あ、説明してからぶちのめせばいいかなぁ?」
怒って呆れて、良いことを思いついたように悪い笑みを浮かべる。
忙しいやつだ。
見れば、佳凪の手の甲には血が滲んでいた。
たったそれだけで親にちくるつもりなのだろうか。