その息尽きるまで時間は無限
浅木が続ける。

「衣ちゃんのことはいじめてたんだね?」

「は?やっ」

「いや、みんなみてたよ?ねー!」

浅木がクラスメイトに呼びかけると、全方位から声が上がる。



『みたみたー!』

『俺もみた!』

『この前濡沢ちゃん吐いてたよね?』

『この前多目的トイレによろよろいってたよ?』

『まじでかわいそー。さいてー。』


人間とは馬鹿だ。
相手が上だと何も言わないのに、下になった瞬間に留めておいた感情を吐き出す。

正直、今俺が下なのは事実なのだ。

ただでさえも佳凪の“下”だったのに、その佳さんも下になったから、俺は下の下だ。


今の状況は不可抗力なわけだ。

最悪だ、何も言えない、逆らえない。

なんで俺が、なんで俺が、なんで俺が、
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