警視正は彼女の心を逮捕する
頭の中がぐるぐるになってしまっていると、鷹士さんが静かに言った。
「このまま、俺の部屋へ住めばいい」
「え?」
意味がわからない。
間借りさせてくれる、ってこと?
鷹士さんの双眸を見ると、彼はとても真剣な表情だ。
「ずっと日菜乃ちゃんが好きだった。でも、悠真と恋人なら二人を祝福しようと思っていた」
今日二番目の、ううん。人生最大の衝撃が来た。
理解できないでいると、鷹士さんが言葉を重ねてくる。
「もう我慢しない」
「ま、待って」
待たないとばかりに、言葉をどんどん浴びせられる。
「日菜乃ちゃん、結婚しよう」
「ずっと俺の傍にいればいい」
「約束する、君を守る」
もしかして、エイプリルフールだった? 私はチラリとカレンダーを探す。
「嘘じゃない」
炎を閉じ込めたような瞳に、彼が真面目であることを悟る。
「……わたしは……」
まだ、次の人なんて考えられない。
子供の頃から悠真さんが好きだったのだから。
悠真さんのことを考えるだけで胸が苦しい。
呼吸ができない。
けれど、断ろうとする前に言われてしまう。
「急かしはしない、だが選択肢の一つに入れてほしい」
彼は静かに私に与えられた部屋から出ていく。
と、振り返りながら宣言してきた。
「これからは口説くから覚悟しておいて」
「な……!」
返事をする前にドアは閉まった。
私は、閉まったドアの前から動けない。
「このまま、俺の部屋へ住めばいい」
「え?」
意味がわからない。
間借りさせてくれる、ってこと?
鷹士さんの双眸を見ると、彼はとても真剣な表情だ。
「ずっと日菜乃ちゃんが好きだった。でも、悠真と恋人なら二人を祝福しようと思っていた」
今日二番目の、ううん。人生最大の衝撃が来た。
理解できないでいると、鷹士さんが言葉を重ねてくる。
「もう我慢しない」
「ま、待って」
待たないとばかりに、言葉をどんどん浴びせられる。
「日菜乃ちゃん、結婚しよう」
「ずっと俺の傍にいればいい」
「約束する、君を守る」
もしかして、エイプリルフールだった? 私はチラリとカレンダーを探す。
「嘘じゃない」
炎を閉じ込めたような瞳に、彼が真面目であることを悟る。
「……わたしは……」
まだ、次の人なんて考えられない。
子供の頃から悠真さんが好きだったのだから。
悠真さんのことを考えるだけで胸が苦しい。
呼吸ができない。
けれど、断ろうとする前に言われてしまう。
「急かしはしない、だが選択肢の一つに入れてほしい」
彼は静かに私に与えられた部屋から出ていく。
と、振り返りながら宣言してきた。
「これからは口説くから覚悟しておいて」
「な……!」
返事をする前にドアは閉まった。
私は、閉まったドアの前から動けない。