【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。


 祥太くんから「誕生日おめでとう」って言われるのが一番嬉しいかもしれない。
 あまりにも嬉しくて、つい顔が緩んでしまう。

「絵梨紗はかわいいな。 嬉しさで顔が緩んでるぞ」

「いいの。 だって、嬉しいんだもん」

 こんなに嬉しいことはない。 祥太くんといるといつも嬉しいし、楽しいけど、やっぱりこういう特別な日に祝ってもらえるのが一番嬉しい出来事だと思う。
 こうして隣に並んでお酒を飲みながら、楽しく話したりするだけで、もう幸せなんだ。

「絵梨紗、せっかくだからおすすめのメニュー頼んでみない?」

「いいね。頼もうよ」

 祥太くんは「今日は俺の奢りだから、好きなものを好きなだけ頼んでいいから」と優しい言葉をくれた。

「えっ! い、いいよ、そんなの!」

 そんなの私が申し訳ないから、ちょっと困ってしまう。

「今日は絵梨紗の誕生日なんだから、気にしなくてい。 好きなもの頼みな」

 そう言われてメニューを見せられたので、私はそれに甘えることにした。

「ありがとう。……じゃあ、食べたいものを頼んでもいい?」

「もちろん、遠慮なく頼んで」

「ありがとう」

 私はメニューを眺め、祥太くんと一緒に食べたいものをセレクトして注文した。

「二杯目頼んでいい?」

「うん」

 祥太くん、今日飲むペース早いのかな?

「私、ちょっとお手洗い行ってくるね」
 
「ああ」

 一旦お手洗いに立った私は、お手洗いから戻ってきたら、まさかあんなサプライズが待ち受けているとは思ってもなかった。
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