【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。


「えっ……?」

 絵梨紗は驚いているようで、思わず俺の方を向く。

「お誕生日、おめでとうございます」

「あ、ありがとうございます」

 バースデープレートがテーブルに置かれると、店員は「では、素敵な誕生日をお過ごしください」と俺たちの元を去っていく。

「え? 祥太くん、どういうこと?」

 絵梨紗は俺を見ている。

「ん? バースデーサプラーイズってとこかな」

「サプライズ? え、嬉しいっ……!」

 絵梨紗は喜んでくれているようで、「かわいい。 ね、写真撮ってもいい?」と俺に聞いてくれる。

「ああ、好きなだけ撮っていいぞ」

 良かった……めちゃくちゃ喜んでくれている。

「嬉しい。 こんなのも頼んでくれたの?」

「ああ、喜んでほしくてさ」

 俺は絵梨紗のために出来ることを、たくさんしたいと思っている。
 だからこういうサプライズも、喜んでしたい。これから先の人生を、絵梨紗と一緒に歩んでいく覚悟が俺にはあるから。

「本当に嬉しい。 ありがとう、祥太くん」
 
 キラキラした目でバースデープレートを眺めている絵梨紗の横顔が本当にかわいくて、俺は思わず絵梨紗に「絵梨紗、俺と結婚しよう」と流れで言ってしまった。

「……えっ?」

「あっ……」
 
 しまった……。流れでポロッと言ってしまった。

「えっ? 祥太くん、今のって……?」

「いや、あの……」

 考えていたプランとは全然違うことを言ってしまった。 どうしたらいいんだ……?
 
「祥太くん。さっきの、もう一回言って」
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