【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。
絵梨紗が真剣な眼差しで俺を見るので、俺は覚悟を決めた。
「……和倉絵梨紗さん」
「はい」
絵梨紗が俺の方に身体を向ける。
「俺と、結婚してくれますか? 必ず、俺が幸せにします」
俺はポケットから小さな箱を取り出すと、その箱をそっと開けて絵梨紗に見せた。
「……はい。私で良ければ、喜んでお受けします」
絵梨紗は嬉しそうに微笑むと、その箱をそっと受け取ってくれた。
「え……本当か?」
「うん、もちろんだよ。 断る理由なんて……ある訳ないよ」
俺は絵梨紗に左手を手に取ると、箱から指輪を取り出す。
「指輪、嵌めてみても……いいか?」
「うん、お願いします」
絵梨紗のその細くて美しい手に指輪をそっと嵌めると、絵梨紗は「すごい……キレイ」とその指輪を眺める。
「よく似合ってる」
「良かった。サイズもぴったりだな」
絵梨紗のために選んだこの指輪は、俺が絵梨紗のために永遠の愛を誓う指輪だ。
俺が絵梨紗と一緒にこの先の人生も歩んでいいきたいと願う覚悟であり、願いだ。
「こんなに素敵な指輪、いいの?」
「俺が絵梨紗のために、渡したかったんだ」
絵梨紗は指輪に手に触れながら「嬉しい。……本当に、ありがとう」とその瞳を潤ませながら俺を見る。
「絵梨紗、愛してる。 だからこれからも、ずっと俺と一緒にいてほしい」
「……うん。私も、ずっと祥太くんと一緒にいたい。 私も祥太くんのこと……愛してるから」
俺はそんな絵梨紗のことをギュッと抱き締めた。