【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。
金町さんが「絵梨紗ちゃんが幸せになるんだと思うと、本当におばちゃん嬉しいよ〜」と私の肩を叩いてくれる。
「そんなに喜んでもらえるなんて思ってなかったので、嬉しいです」
「そりゃあ、嬉しいに決まってるじゃない!」
金町さんは私がここで働き始めた時からずっと優しくしてくれて、気を遣ってくれるし、私のことも自分のことように喜んでくれるのが何より嬉しい。
「結婚祝い用意するから、リクエストあったら言ってね」
「ありがとうございます」
金町さんは「じゃあ私、休憩行ってくるね」とバックヤードへと入っていった。
「すみません、この本を探してるんですけど……」
「こちらの本ですね。 こちらになります」
お客様を目的の書籍が並んでいるところへと案内すると、お客様は「ありがとうございます」と嬉しそうに微笑む。
「ごゆっくりどうぞ」
私もすぐさま仕事へと戻った。
「一番、レジ応援お願いします!」
「はい!」
お客様から書籍を預かりレジ作業を行なう。
「ありがとうございました」
「ありがとうございました!」
そんな私の様子を見ていたもう一人のスタッフさんが私に向かって「絵梨紗ちゃん、なんかご機嫌だね」と言ってくる。
「はい。ちょっといいことがありまして」
「見ればわかるよ〜。顔がウキウキしてるよね」
私はそう言われて思わず「え、ウキウキしてますか?」と聞いてみると、「してるしてる。いつもより微笑ましい顔してるよ」と言われてしまった。
「後で何があったのか、聞かせてね」