【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。


 私は「わかりました」と答えた。

 その後六時に早番のスタッフが退勤すると、早番さんから引き継ぎを行った。

「絵梨紗ちゃん、お疲れ様」

「金町さん、お疲れ様です」

「後お願いね」

「はい」
  
 金町さんから仕事の引き継ぎを行うと、私はそのまま休憩の時間まで仕事をこなした。

「で、いいことってなにがあったの? 教えて」

 休憩に入るとさっきレジで私のことを聞いてきたスタッフの【加藤さん】が、お弁当を持って私の隣へと座る。

「あ、はい。 実は昨日、彼からプロポーズされたんです」

「えっ!本当に!? それはおめでとうっ!」

「ありがとうございます」

 加藤さんは「だから絵梨紗ちゃん、今日こんなにウキウキしてたのね」とお弁当を開く。

「はい。すみません、あまりにも嬉しかったので……ちょっと顔に出ちゃいましたね」

「いいのよ、いいのよ! 嬉しい時は、嬉しい顔をしておけばいいのよ」

 加藤さんも優しい人で、私の結婚のことを嬉しそうにしてくれた。

「で、入籍はいつするの?」

 私はご飯を食べながら「んー……そこまでまだ決めてないんですけど、縁起のいい日に入籍したいなって思ってます」と加藤さんに話した。

「それがいいと思うよ。 二人で決めた日に入籍するのがいいよ」

「はい。 また入籍したらご報告しますね」

 加藤さんは「うんうん。待ってるね」と嬉しそうに笑っていた。

「あ……だからさっき、金町さんも妙に嬉しそうだったんだね」

「はい。多分」

 こんなに喜んでもらえるの、嬉しいな。
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