【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。
あの時絵梨沙に「好きだ」と言えなかったことをずっと後悔していた。
そして絵梨沙を抱いたことでもし絵梨沙を傷付けたらって思ったら……それについても謝りたいと思っていた。
絵梨沙は今どうしているのだろうか……。元気でやっているのだろうか。
絵梨沙、彼氏とかいるのだろうか。 いや、もう結婚でもしてるのだろうか……?
結婚しててもおかしくはない年齢ではあるから、もし彼氏がいたり結婚とかしてたら、潔く諦めようその時は。……キッパリと、諦めよう。
いや、もう七年も前のことだ。きっと俺のことなんて、忘れているに違いないな。
俺のことを覚えてなくても当然だ。 でも俺は、絵梨沙のことを忘れた日はなかった。
絵梨沙のことがずっと忘れることも出来ずにいたのだから、相当恋い焦がれているんだろうな。
あの時、ちゃんと好きだと伝えていれば良かった。 そしたら、こんなことにはならなかったかもしれない。
ごめんな、絵梨沙ーーー。
そして予定通り日本へ帰国した俺は、絵梨沙が働いている書店へと出向いた。
日本へ来る前に絵梨沙のことを調べてもらったのだが、絵梨沙が書店で働いていることを突き止めた俺は、偶然を装い絵梨沙と接触することにした。
「すいません」
「はい? どうされました?」
声を掛けて振り返った人は、やはり絵梨沙で間違いなかった。
首の後ろにあるあのほくろは、絶対に絵梨沙だと確信していたというのもある。 絵梨沙を抱いた時に見つけた、絵梨沙のほくろは美しくてキレイだったから。