【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。
幸せにしたいと思う彼女
そして絵梨沙の仕事が終わる時間に合わせて、俺も仕事を終わらせて急いで書店へと向かった。
絵梨沙の姿を探していると、私服姿の絵梨沙を見つけた。 絵梨沙はスマホを見つめながら下を向いている。
「何してるんだ……?」
でもそんな絵梨沙もかわいくて見えて、思わず笑みがこぼれた。
俺は絵梨沙に後ろから近付き「絵梨沙」と名前を呼ぶ。
「……三国、くん」
絵梨沙は俺の方に振り返る。
「絵梨沙、お疲れ」
「お疲れ……様」
絵梨沙はちょっと緊張している様子だった。
もしかして、俺と会うのがイヤだっとか……?なんていらぬことを考えてみてしまう。
「絵梨沙、腹減ってる?」
絵梨沙との二人の時間をムダにしたくない俺は、絵梨沙にそう聞いてみる。
「え? まあ……普通かな」
ん? それは空いてるのかわからないってことか……?
絵梨沙のことがわからなくてモヤモヤしそうになるがとりあえず「じゃあ、ちょっとお茶しない?」と聞いてみる。
すると絵梨沙は「うん……まあ、お茶なら」と答えてくれた。
「近くにコーヒーショップあったし、そこ行かない?」
「うん」
俺たちは二人並んで同じ方面へ歩き始める。
「絵梨沙の私服、そんな感じなんだ」
「え……?」
絵梨沙は自分が着ている服を見て「え、変かな……?」と俺にそう聞いてくる。
「いや、なんか前より雰囲気変わったなって思って」
いや、そういう意味じゃないんだよな……。かわいいってことを言いたいんだよな、俺は。