【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。
「そりゃあ、七年も経てばね……変わるとは思うけど」
絵梨沙はずっと変わらない。 あの頃からずっと、絵梨沙はかわいいままだ。
「前より絵梨沙、雰囲気良くなったよな」
「え? そうかな」
「前より柔らかくなった気がするけど」
絵梨沙はあの頃よりももっと、素敵な女性になっている。 俺はそんな絵梨沙の隣を歩くだけで、ドキドキしてしまうんだ。
このドキドキが絵梨沙に伝わらないでほしいと、そう何度も心の中で願ってしまう。
「……そんなことないよ」
そんな俺のドキドキも伝わることはなく、ホッとする反面、少し残念なような気もしてしまうというよくわからない感情に振り回されてしまう。
「絵梨沙、元気だったか?」
「うん、元気だったよ。 三国くんは?」
「俺もバリバリ元気だよ」
「そっか」
一瞬ふと絵梨沙と目が合ったが、絵梨沙に逸らされてしまう。
目を逸らすということは、やっぱり俺と会いたくなかったって感じ……なのか?
わからない。とりあえずなにか話題を振らないと会話にならない。
「三国くんは、今何してるの?」
そう思っていると、絵梨沙から俺にそう聞いてくれた。
「俺? 俺は弁護士」
「べ、べ、弁護士……?!」
俺が弁護士だと聞いて、絵梨沙はかなり驚いているようだった。
「ウソでしょ……弁護士、なの?」
「そうだけど」
そんなに驚くようなことなのかと思ったが、驚く絵梨沙の表情が見れたので、まあ良かったなと思った。
絵梨沙といると、本当に飽きない気がする。