【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。


 七年という月日を、俺はこの腕の中で感じたかったのかもしれない。
 もっと早く、絵梨沙に会いに行けば良かったと後悔している。
 もっと早く、絵梨沙と両想いであることを確認し合いたかった。

「ん、絵梨沙……かわいい」

「やだっ、恥ずかしっ……」

 絶妙なリズムで揺れるベッドの上で、俺の名前を時折呼ぶ絵梨沙が愛おしくて仕方がない。
 俺も何度も絵梨沙の唇を奪いながら、絵梨沙とその熱い熱情を共有しあった。

「絵梨沙、もっと俺の頭を絵梨沙でいっぱいにしたい」

「え、もう充分いっぱいになってるでしょ……?」

「こんなんじゃ全然足りない。 だからもっと絵梨沙のことを感じさせて」

「ちょっと、祥太くん……くすぐったいよ」

 俺は絵梨沙のかわいい姿を目に焼き付けながら、その日の夜を幸せに過ごしたのだった。

「絵梨沙、あの日も絵梨沙とこうして身体を重ね合った時……俺は本当に幸せだった」 

「えっ……?」

 夜中になり二人の熱い行為が終わると、俺は絵梨沙を腕の中に閉じ込めながらそんなことを話した。

「絵梨沙ともう会えなくなるかもしれないって思ったけど、幸せの方が勝ってた。……ずっと好きだった絵梨沙を、この手で抱ける幸せを噛み締めてたんだ」

「……私も、あの日は本当に幸せだったよ。 だけど同時に虚しくもなって、会えなくなることが寂しくなって……自分で望んだことだってわかっているのに、後悔しそうになったんだ」
 
 俺は「もう二度と、絵梨沙のことを離さない」とおでこにキスを落とした。
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