【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。


 私はそれを金町さんから言われて「……だといいんですけど」と答えた。

「ねえ、どっちから告白したの?」

「告白ですか? ああ……向こうからですね」

「きゃー!いいなあ!」

 金町さん、なんか楽しそうなんだけど。

「こんなこと言うのもあれなんですけど……彼、私の初恋の人だったんですよね」

「え、初恋?」

「はい。大学生の時、ずっと彼のことが好きだったんです」

「ええ、そうなの? ていうことは、初恋が叶ったってこと?」

 そう言っていいのかはわからなかったけど、そういうことになるのかな……?

「まあ……叶ったことで、いいんですかね」

「おめでとう! 素敵な人そうだし、幸せにしてもらいなね」

「あ……はい」

 三国くんと付き合い始めてから数日。私は本当に幸せな日々を送っていた。
 弁護士という仕事柄忙しい三国くんだけど、忙しい中でも時間を作ってくれて、まめに連絡を取ってくれていた。
 本当に優しくて、毎日「好きだ」と言ってくれるから、本当に愛を感じている。
 
「結婚とかすることになったら、ちゃんと報告するのよ!」

「結婚ですか? いえ、まだそんな予定はないです」

「いやいや。意外とすぐになんてことも、あるんじゃない?」

「そう……ですかね」

 結婚か……。三国くんとの結婚とかまだ全然かんがえてはないけど、いつか結婚出来たらいいな、とは思う。
 でも私たちはまだ付き合ったばかりだし、私たちらしく、少しずつゆっくりと愛を育んでいきたいと思っている。
< 30 / 132 >

この作品をシェア

pagetop