【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。
まさかこんなところで三国くんに再会するなんて……。
これは偶然? それとも……必然?
「絵梨沙、もしかしてここで働いてるのか?」
「あ、うん。そうだけど……」
三国くん、全然変わってないな……。前からカッコイイと思ってはいたけど、七年経っても全然変わってない。
今もずっとカッコイイままだ。思わず見惚れてしまいそうになる。
「何年ぶりだろうな?……七年くらい経つか?」
「そうだね。そのくらいかな」
当時はまだ大学生だった。当時の私は二十歳だった。 あれから七年経って、私は二十七歳になった。
もう二十七歳だ。時の流れは早いな……。
「そっか。あれからもう七年か」
「そう、だね」
三国くんとは身体を重ね合ったあの日が最後になった。 あの日以来私は、三国くんのことを忘れるために三国くんから遠ざかっていた。
そして三国くんは海外へ留学してしまった。
もう二度と会うことはないと思っていたのに……。まさかここで会うなんて。
「絵梨沙、今日仕事何時まで?」
「今日は早番だから、十八時までだけど」
「じゃあさ、せっかくだし飯でも行かない?」
「えっ?」
これって、誘ってくれてるの……? そういうこと、だよね?
「あ、悪い。忙しいよな」
「あ、ううん。大丈夫だよ。 びっくりしただけ、だから」
「そうか。 じゃあ決まりだな」
三国くんはスーツを着ていたのだけど、スーツ姿はまるで輝いていて、三国くんが私にはさらに眩しく見えた。