【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。


 まさかこんなところで三国くんに再会するなんて……。
 これは偶然? それとも……必然?

「絵梨沙、もしかしてここで働いてるのか?」

「あ、うん。そうだけど……」

 三国くん、全然変わってないな……。前からカッコイイと思ってはいたけど、七年経っても全然変わってない。
 今もずっとカッコイイままだ。思わず見惚れてしまいそうになる。

「何年ぶりだろうな?……七年くらい経つか?」

「そうだね。そのくらいかな」

 当時はまだ大学生だった。当時の私は二十歳だった。 あれから七年経って、私は二十七歳になった。
 もう二十七歳だ。時の流れは早いな……。

「そっか。あれからもう七年か」

「そう、だね」

 三国くんとは身体を重ね合ったあの日が最後になった。 あの日以来私は、三国くんのことを忘れるために三国くんから遠ざかっていた。 
 そして三国くんは海外へ留学してしまった。 

 もう二度と会うことはないと思っていたのに……。まさかここで会うなんて。

「絵梨沙、今日仕事何時まで?」

「今日は早番だから、十八時までだけど」

「じゃあさ、せっかくだし飯でも行かない?」

「えっ?」

 これって、誘ってくれてるの……? そういうこと、だよね?

「あ、悪い。忙しいよな」

「あ、ううん。大丈夫だよ。 びっくりしただけ、だから」

「そうか。 じゃあ決まりだな」

 三国くんはスーツを着ていたのだけど、スーツ姿はまるで輝いていて、三国くんが私にはさらに眩しく見えた。
< 6 / 132 >

この作品をシェア

pagetop