愛を伝えていたら…
うつむいた卓哉の顔を覗き込むと、苦しそうな顔で、頬を赤らめていた。

卓哉…?

「ごめっ…。……ことねはそんなんじゃないって分かってるのに、どうしても嬉しいと思ってしまう…。俺ってどうかしてる。ことねのことになると自分が自分でなくなる感じがする。」

「…。」

「キモいよな…。ごめん。」

卓哉はそう言うと、

「行こっか。」

と言って歩き出した。

卓哉って、そんなに私のこと好きだったの?
今までこれっぽっちも気づかなかった…。

結局、告白の後に卓哉に酷いことを言ってしまったことを謝ることもできず、家の前まで来ていた。

「じゃあな、ことね。」

「う、うん。」

そうして卓哉は背中を向けて、さっき来た道を戻って行った。
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