愛を伝えていたら…
それから暫く経って、卓哉は腕を離した。

「もう落ち着いた?」

心配そうな顔で私を見つめてきた。

もうちょっと抱きしめていて欲しかったな…。
めっちゃ気持ち良かった。
温もりが離れていって、少し寂しい。

…って、さっきから私は何考えてんだよっ!
変だぞ!私らしくない!

「あ、う、うん。大丈夫。」

「家まで送っていくから今日はちゃんと休めよ。」

「んっ…。卓哉っ。」

私は気づいたら卓哉の袖を掴んでいた。

あれ?何やってんだろ私。

「…。」

「…。」

気まずい。
そりゃあそうなるよね。ふったくせにいきなり何やってんだろ…。 

でも、どうしても卓哉の体温が恋しくて、もう一度抱きしめて欲しかった。
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