最悪な結婚のはずが、冷酷な旦那さまの愛妻欲が限界突破したようです
「すみません」
ふかふかのタオルでドレスにかかった水分を吸い取るように押し当てる。
「謝らなくていい」
さらりと返されたが、申し訳なさでいっぱいになる。貴治さんは新しいグラスに水を注ぎ直してくれた。
「ごめん、なさい。私、貴治さんに迷惑をかけて、みっともないところばかりお見せして……」
「迷惑とも思ってないし、みっともなくない」
貴治さんは、私の頭をそっと撫でた。
「俺のために苦手な酒を無理して飲んでくれたんだな。気づいてやれなくて悪かった」
優しく労われ、私はただ首を横に振る。貴治さんが謝るようなことはひとつもない。
彼は腰を屈め、私と視線を合わせた。
「ただ、これからはひとりで抱え込んで無茶をするな。俺を頼ってくれ」
これからっていつまで? 頼ってもいいの?
葛藤を抱きつつ、いつもなら『平気だ』とか『大丈夫だ』と返すけれど、貴治さんが本音を話してくれているのが伝わり、素直にうなずく。
どうしよう。なんだか泣きそう。
ぎゅっと目を閉じて堪えていると、頭にあった手がゆっくりと頬にすべらされる。少しだけ彼に触れられるのに慣れてきた。さっきは驚いて身をすくめてしまったが、今はこのまま触れていてほしいとさえ思う。
じっと貴治さんを見つめていると、彼は私からふいっと視線を逸らし困惑めいた表情になる。どうしたのかと尋ねようとしたら、逆に貴治さんはこつんと額を重ねてきた。
ふかふかのタオルでドレスにかかった水分を吸い取るように押し当てる。
「謝らなくていい」
さらりと返されたが、申し訳なさでいっぱいになる。貴治さんは新しいグラスに水を注ぎ直してくれた。
「ごめん、なさい。私、貴治さんに迷惑をかけて、みっともないところばかりお見せして……」
「迷惑とも思ってないし、みっともなくない」
貴治さんは、私の頭をそっと撫でた。
「俺のために苦手な酒を無理して飲んでくれたんだな。気づいてやれなくて悪かった」
優しく労われ、私はただ首を横に振る。貴治さんが謝るようなことはひとつもない。
彼は腰を屈め、私と視線を合わせた。
「ただ、これからはひとりで抱え込んで無茶をするな。俺を頼ってくれ」
これからっていつまで? 頼ってもいいの?
葛藤を抱きつつ、いつもなら『平気だ』とか『大丈夫だ』と返すけれど、貴治さんが本音を話してくれているのが伝わり、素直にうなずく。
どうしよう。なんだか泣きそう。
ぎゅっと目を閉じて堪えていると、頭にあった手がゆっくりと頬にすべらされる。少しだけ彼に触れられるのに慣れてきた。さっきは驚いて身をすくめてしまったが、今はこのまま触れていてほしいとさえ思う。
じっと貴治さんを見つめていると、彼は私からふいっと視線を逸らし困惑めいた表情になる。どうしたのかと尋ねようとしたら、逆に貴治さんはこつんと額を重ねてきた。