最悪な結婚のはずが、冷酷な旦那さまの愛妻欲が限界突破したようです
私には想像もつかない世界で、彼はずっとひとりで戦ってきたんだ。
「いざ結婚してみると、臨は俺とは真逆で、自分の気持ちを大切にして向き合っている人間だった。この家を守りたいと必死になって、好きでもない俺と結婚したのに、世話を焼いて、気遣って……正直、最初は鬱陶しかったし、理解もできなかった」
彼が倒れたときに心配して様子を見に行くと、放っておいてほしいと突っぱねられた。
「私は――」
「けれど臨はなにか見返りを期待するわけではなく、いつも俺自身と向き合ってくれた」
フォローしようとする私の言葉にかぶせ、貴治さんは言い切った。回されていた腕の力が緩み、おずおずと彼の方を見上げると、切なそうな顔をしている貴治さんと目が合う。
貴治さんはゆっくりと私の頬に触れる。
「損得勘定ばかりで、世の中をうまくわたっているつもりだった。でも臨に出会って、違うって気づいたんだ。純粋な優しさに癒されて、相手のためになにかをしたいって初めて思えた。大事にしたい。だから、契約とか関係なくこれからも俺のそばにいてくれないか?」
さっきとは違う意味で涙があふれる。
「臨を愛している。絶対にひとりにさせない」
目を見て、真っ直ぐに誓うってくれる貴治さんに、小さくうなずく。
「私も、貴治さんが好きです。精いっぱいがんばりますから、これからもそばにいさせてください」
想いを口にして、ゆるやかに唇が重ねられる。こんなに満たされて幸せな気持ちにしてくれるのは、貴治さんだけだ。
「いざ結婚してみると、臨は俺とは真逆で、自分の気持ちを大切にして向き合っている人間だった。この家を守りたいと必死になって、好きでもない俺と結婚したのに、世話を焼いて、気遣って……正直、最初は鬱陶しかったし、理解もできなかった」
彼が倒れたときに心配して様子を見に行くと、放っておいてほしいと突っぱねられた。
「私は――」
「けれど臨はなにか見返りを期待するわけではなく、いつも俺自身と向き合ってくれた」
フォローしようとする私の言葉にかぶせ、貴治さんは言い切った。回されていた腕の力が緩み、おずおずと彼の方を見上げると、切なそうな顔をしている貴治さんと目が合う。
貴治さんはゆっくりと私の頬に触れる。
「損得勘定ばかりで、世の中をうまくわたっているつもりだった。でも臨に出会って、違うって気づいたんだ。純粋な優しさに癒されて、相手のためになにかをしたいって初めて思えた。大事にしたい。だから、契約とか関係なくこれからも俺のそばにいてくれないか?」
さっきとは違う意味で涙があふれる。
「臨を愛している。絶対にひとりにさせない」
目を見て、真っ直ぐに誓うってくれる貴治さんに、小さくうなずく。
「私も、貴治さんが好きです。精いっぱいがんばりますから、これからもそばにいさせてください」
想いを口にして、ゆるやかに唇が重ねられる。こんなに満たされて幸せな気持ちにしてくれるのは、貴治さんだけだ。