最悪な結婚のはずが、冷酷な旦那さまの愛妻欲が限界突破したようです
第三章
世間ではゴールデンウィークで賑わいを見せている中、私はマンションの一室で荷解きをしていた。淡い水色のカットソーにジーンズを組み合わせ、髪はひとまとめにしている。動きやすさ重視だ。
二神さ……貴治さんはあっという間に話を進め、今日から私は彼のマンションで住むことになった。
叔父夫婦には一応、結婚する旨を伝えたものの彼のご両親にはまだ挨拶に行けておらず、明日ご実家に伺う予定になっている。さすがに婚姻届はそのあと提出するつもりだ。
一緒に住むのはご実家への挨拶と婚姻届を出してからでもいいのではないか、と言ったが彼は譲らなかった。
『俺も忙しいんだ。立ち会って家のことを説明するなら、この日にしてくれ』
そう言って指定されたのが今日なのだ。どこまでも自分中心で、冷たい彼にため息が漏れる。
家のためとはいえ、私と貴治さんが結婚とか、やっぱり嘘でも無理がある気がする。
改めて室内を見渡す。与えられた部屋にはベッドやソファ、作業用のデスク、備え付けの棚などがそろっていて、十分すぎるほどの広さがあった。
一人暮らしは未経験だが、なんだか家具付きのアパートを借りた気分になる。
元々私物が少ないうえ、持ってきた荷物は段ボール一箱で十分だった。
ここで暮らすってなんだか実感湧かないな。
そもそも名ばかりの結婚なんだから一緒に住む必要はないと思ったが、彼の立場や叔父夫婦の手前もある。それでも可能な限りは、離れの方に戻って過ごす予定だ。
貴治さんも忙しいみたいだし、どうせここでも完全なルームシェア状態になるだろう。それなら住み慣れた家でいたい。そんな私の希望に対し、貴治さんはなにも言わなかった。
二神さ……貴治さんはあっという間に話を進め、今日から私は彼のマンションで住むことになった。
叔父夫婦には一応、結婚する旨を伝えたものの彼のご両親にはまだ挨拶に行けておらず、明日ご実家に伺う予定になっている。さすがに婚姻届はそのあと提出するつもりだ。
一緒に住むのはご実家への挨拶と婚姻届を出してからでもいいのではないか、と言ったが彼は譲らなかった。
『俺も忙しいんだ。立ち会って家のことを説明するなら、この日にしてくれ』
そう言って指定されたのが今日なのだ。どこまでも自分中心で、冷たい彼にため息が漏れる。
家のためとはいえ、私と貴治さんが結婚とか、やっぱり嘘でも無理がある気がする。
改めて室内を見渡す。与えられた部屋にはベッドやソファ、作業用のデスク、備え付けの棚などがそろっていて、十分すぎるほどの広さがあった。
一人暮らしは未経験だが、なんだか家具付きのアパートを借りた気分になる。
元々私物が少ないうえ、持ってきた荷物は段ボール一箱で十分だった。
ここで暮らすってなんだか実感湧かないな。
そもそも名ばかりの結婚なんだから一緒に住む必要はないと思ったが、彼の立場や叔父夫婦の手前もある。それでも可能な限りは、離れの方に戻って過ごす予定だ。
貴治さんも忙しいみたいだし、どうせここでも完全なルームシェア状態になるだろう。それなら住み慣れた家でいたい。そんな私の希望に対し、貴治さんはなにも言わなかった。