最悪な結婚のはずが、冷酷な旦那さまの愛妻欲が限界突破したようです
午後、貴治さんの運転する車に乗って彼の実家に向かう。
お気に入りのピンクベージュのワンピースを身にまとい、髪はハーフアップにして精いっぱい着飾る。もともとキツい印象を抱かれがちな顔立ちなので、メイクも雰囲気も柔らかくなるよう心がけた。
手土産は老舗有名洋菓子店の焼き菓子の詰め合わせだ。
さすがに緊張してしまう。信号で車が止まり、ふと視線を感じて横を向くと、貴治さんもこちらを見ていた。
「なにか、変ですか?」
「いや」
不安になって尋ねたが、彼にはすげなく返される。だったらなんなのか。あらゆる可能性を考え、ある結論に達する。
「あの……心配しなくても、なにを言われてもご両親には貴治さんのときみたいに言い返したりしませんよ」
おずおずと告げると、貴治さんは目を丸くした。
彼は再び前を向く。
「聞き流せとは言ったが、言い返すなとは言っていない。俺もフォローする」
なんだか、本当に結婚の挨拶に行くみたいだ。
「ありがとうございます」
小さくお礼を声にして私も前を向く。
すると不意に頭に温もりを感じたる。横を向くと彼は素早く腕を戻し、ハンドルを握っている。なんでもない一瞬の出来事だったのに、顔が熱くなり胸が苦しくなった。
なに、これ……。
知らない、わからない。けれど、前なら彼の言葉なんて信じられなかったのに、今は素直に受け止められる。安心できる。
最初は、人の心がない冷たい印象しかなかったのに。
お気に入りのピンクベージュのワンピースを身にまとい、髪はハーフアップにして精いっぱい着飾る。もともとキツい印象を抱かれがちな顔立ちなので、メイクも雰囲気も柔らかくなるよう心がけた。
手土産は老舗有名洋菓子店の焼き菓子の詰め合わせだ。
さすがに緊張してしまう。信号で車が止まり、ふと視線を感じて横を向くと、貴治さんもこちらを見ていた。
「なにか、変ですか?」
「いや」
不安になって尋ねたが、彼にはすげなく返される。だったらなんなのか。あらゆる可能性を考え、ある結論に達する。
「あの……心配しなくても、なにを言われてもご両親には貴治さんのときみたいに言い返したりしませんよ」
おずおずと告げると、貴治さんは目を丸くした。
彼は再び前を向く。
「聞き流せとは言ったが、言い返すなとは言っていない。俺もフォローする」
なんだか、本当に結婚の挨拶に行くみたいだ。
「ありがとうございます」
小さくお礼を声にして私も前を向く。
すると不意に頭に温もりを感じたる。横を向くと彼は素早く腕を戻し、ハンドルを握っている。なんでもない一瞬の出来事だったのに、顔が熱くなり胸が苦しくなった。
なに、これ……。
知らない、わからない。けれど、前なら彼の言葉なんて信じられなかったのに、今は素直に受け止められる。安心できる。
最初は、人の心がない冷たい印象しかなかったのに。