幽霊学級
功介は大柄で、長袖シャツの制服の上からでもしっかりと筋肉がついているのがわかる。
こんな時期に長袖なんか着て暑くないのだろうかと思うが、功介は涼しい顔をしている。
三人はてんでバラバラに見えるけれど、とても仲が良さそうだった。
「教科書はちゃんとあるか? わからないことがあれば、なんでも聞いてくれよ」
しっかり者の和彰があれこれと気にして世話を焼いてくれるから、僕は校舎案内をお願いした。
「もちろんそれくらいお安いご用だぜ」
張り切って答えたのは功介だった。
さっそく廊下へ出てみれば他のクラスの生徒たちが珍しげな顔を向けてくる。
僕のことを初めて見るからだろう。
だけど3人はそんなことを気にする素振りもみせずにどんどん先へ進んでいく。
「ここは図書室だよ。おすすめの本はアガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』」
大きな扉の前で誠がおずおずと言った。
「誠くんは本が好きなんだね?」
こんな時期に長袖なんか着て暑くないのだろうかと思うが、功介は涼しい顔をしている。
三人はてんでバラバラに見えるけれど、とても仲が良さそうだった。
「教科書はちゃんとあるか? わからないことがあれば、なんでも聞いてくれよ」
しっかり者の和彰があれこれと気にして世話を焼いてくれるから、僕は校舎案内をお願いした。
「もちろんそれくらいお安いご用だぜ」
張り切って答えたのは功介だった。
さっそく廊下へ出てみれば他のクラスの生徒たちが珍しげな顔を向けてくる。
僕のことを初めて見るからだろう。
だけど3人はそんなことを気にする素振りもみせずにどんどん先へ進んでいく。
「ここは図書室だよ。おすすめの本はアガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』」
大きな扉の前で誠がおずおずと言った。
「誠くんは本が好きなんだね?」