幽霊学級
「あら、なによ。それならもっと稼いできてくれたらいいじゃない」
「僕だって精一杯やってるんだよ? だけど不景気じゃしょうがない」
「だから私だって午前中にパートで働いてるじゃない。お小遣いなんて言っている場合じゃないのよ」
だんだん親の声色が怪しくなっていく。
最初はおだやかで冗談めかしていたけれど、剣のある話し方に変わっていた。
「変なこと聞いたね、ごめん」
と、言っても途中じゃ止まらなかった。
日頃から溜まっていた鬱憤がここぞとばかりに吐き出されていく。
僕はしばらく呆然としてふたりの様子を見ていたけれど、1人だけ早々に夕飯を食べ終えてしまったこともあり、途中でこっそりダイニングを後にしたのだった。

☆☆☆

僕の親は基本的に仲がいい。
本当の大げんかをしているところなんて見たことがないし、物が宙を飛ぶような喧嘩だってしない。
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