幽霊学級
この家のゴミはまだ庭まで出てきていないというだけで、足の踏み場はなかった。
「あんたぁ!」
途端に母親が大きな声で父親を呼んだ。
「なんだよ」
奥の部屋から出てきたのは大きな体をした男性だった。
こちらも年齢がわからないくらい太っていて、僕は思わず後ずさりをしてしまう。
「お、おはようございます」
僕は引きつった笑顔を浮かべてどうにか挨拶をする。
父親も母親も大きいのは肉のせいだけじゃない。
その下にしっかりと筋肉がついているのがわかった。
「この子、功介を呼びに来たんだってよ」
母親の声はさっきまでの外行きのものではなくなり、すでにあの怒号を同じ声色になっていた。
嫌な予感に背中に汗が流れていく。
「ほぉ。功介を?」
父親がまるで面白いオモチャをみつけたように目を輝かせて僕を見る。
ここにいちゃまずい。
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