白雪姫は、もう目を覚さない
第8話 やりたいことリスト
彼の声は、少しだけ苦しそうだった。
「通りかかっただけ」
そう言った彼の言葉は、不器用で、
どこかに戸惑いがある、そんな言葉。
それでも、私は嬉しかった。
私のことを覚えていてくれていた。
また会いに来てくれた。
みんなとは違う。
病室に来る人たちは、“来なきゃいけない”から来てくれる。
どこか“役目”みたいなものだった。
私自身を見てくれる人なんていない。
だから誰かに期待することをやめてた。
それなのに、彼は来てくれた。
“役目”ではなく、私自身を見て。
不器用だったけれど、その全部が、静かに胸の奥を温かくしていた。
「通りかかっただけ」
そう言った彼の言葉は、不器用で、
どこかに戸惑いがある、そんな言葉。
それでも、私は嬉しかった。
私のことを覚えていてくれていた。
また会いに来てくれた。
みんなとは違う。
病室に来る人たちは、“来なきゃいけない”から来てくれる。
どこか“役目”みたいなものだった。
私自身を見てくれる人なんていない。
だから誰かに期待することをやめてた。
それなのに、彼は来てくれた。
“役目”ではなく、私自身を見て。
不器用だったけれど、その全部が、静かに胸の奥を温かくしていた。