I will love you longer them forever
「手の傷、綺麗に治ってよかったよ」

「うん。最先端医療のおかげでね。人並みには綺麗な花嫁になったんじゃない?」

「アリスはあの傷があってもなくても、俺にとっては世界一綺麗な花嫁だよ」

オスカーの言葉にアリスの顔が真っ赤に染まる。アリスは咳払いをし、次の思い出を語りかける。

「初めてデートした時のこと、覚えてる?」

「もちろん。水族館に行ったよね。大きなシャチのショーを間近で見て二人でびしょ濡れになった」

「あ〜。びしょびしょになってTシャツを売店で買ったわね」

「まさかあんなに水しぶきが飛んでくるとは思わなかったよね。……その帰りにアリスに初めて告白した」

「デートに誘われて、まさか告白されるなんて想像もしてなかった。オスカーは人気者だし、私のことはただ優しいから気にかけてくれているだけだと思ってたよ」

「うん。初めての告白は見事に振られたね」

「オスカーの隣に並ぶ資格なんてないって思ってたから」

告白をされた時、アリスの胸には「嬉しい」という気持ちよりも、戸惑いや「何故私なの?」という疑問が大きかった。そして、手に傷がある自分と付き合えばオスカーに迷惑がかかるだろうと思い、告白を断ったのだ。
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