推しは恋のキューピッド
会社から出ると、私はすぐ早川課長に詰め寄る。



「早川課長!
あんな所で言っちゃって、良かったんですか?
皆んな何事かと思って、こっちガン見してましたよ!」


「確かに。みんな一瞬びっくりしてたな。」


早川課長は面白がって笑っている。


「あんなの言ったら、私達が付き合ってるってすぐバレちゃいますよ!」



すると早川課長はきょとんとする。



「中森さんは、俺と付き合ってること秘密にしときたいの?それなら今後はそうするけど、俺は隠す気は全く無かったから。」



そうだったのか。
考えてみれば、確かに隠す理由はなにもない。
でも……



「別に隠したり、秘密にしたい訳じゃないですけど、目立つのは嫌です!!」



私がそういうと、早川課長はクスッと笑う。



「わかりました!じゃあこれからは気をつける。
付き合ってるアピールしたら、ちょうどいい男よけにもなると思ったんだけどな」



男よけ…
私の事を独占しようとしてるみたいで
なんだかちょっと嬉しい。



「………ほどほどにしてください。」


そんなやりとりをしつつ歩いていると、
あっという間に駅についた。


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