推しは恋のキューピッド
「ちなみに今回はどこかに着ていくとか何か目的はありますか?」


「あ、はい。職場の方とお出かけすることになりまして…」


私の言葉を聞くと、店員さんの目が光る。


「もしかして、それは男性の方ですか?」


私が頷くと、店員さんは満面の笑みになる。


「デートじゃないですか!それじゃあガラッと雰囲気を変えるコーデを提案させていただきたいです!」


突然張り切り出す店員さんを尻目に、私はデートという単語にドキッとしてしまった。


そんな私を他所に、さっそく店員さんはいくつかのコーデを持ってきた。


「いくつか持ってきてみましたので試着してみませんか?」


店員さんの声掛けに手元をみると、普段の自分では買わないような系統の洋服であふれていた。しかもすごい量だ。


「あの…こんなに試着よろしいんでしょうか?」


すると、店員さんはもちろん!っと頷く。


「それに今すごく楽しいんです!こんな美人さんのコーディネートさせて貰えるなんてなかなか無いんですから!実は私…スタイリスト目指してるんです。だから逆にありがたいです!」


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