推しは恋のキューピッド
目を離すとすぐ言い合いになる2人を嗜めつつ、
私は家からもってきた大きめのこたろうランチパックの山をバッグから取り出す。



「今日は晴香ちゃんに報告もかねてお礼がしたいと思ってね………色々私作ってきたから、良かったら食べてね!」



蓋をあけてテーブルに並べると、
2人は中を覗きこみ目を輝かせる。


「うわー!美味しそうー!」

「中森さん、すごいな。」


2人の反応に少しホッとする。
喜んでもらえてよかった…


「たいしたものではないけど、よかったら食べてね!」


私の掛け声で、2人ともどんどん食べ進めてくれる。
みんなで談笑しながら食べていると、
川崎さんがふとつぶやく。


「…………にしても、とんでもないカップルの誕生ですね。」


「とんでもない?」


晴香ちゃんの発言に私は首を傾げる。


「だって、梓さんはもちろんなんですけど、早川課長もなかなか整ってらっしゃるから……すごい美形カップルだなと思って。」



「え、いや、早川課長はすごいけど、私は全然だよ!
付き合えたの奇跡だし、今でも自分が釣り合ってないのはなんとなく分かるし…」


私が慌ててそう返すと、晴香ちゃんはやれやれというように首を振る。



「いやいや、梓さんは誰がどうみても美人です。
ですよね?課長?」



「あぁ、そうだな。逆に俺が釣り合ってない。」


「そんなことないですよ!」


私と早川課長がそれぞれ言い合ってるのをみて、
晴香ちゃんはふふっと笑う。


「お2人ともお似合いですよ!」


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