大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】
帰路の船内で伝染病が発生したという報告を、セルファはセイラムから聞いた。
父の病状はそう重くはないらしい。恐らく1週間もしない内に全快するだろう。
しかし、影は重症化しているという。
(いっそ、そのまま死んでしまえばいい)
セルファの脳裏に一瞬残酷な思いが過ぎる。
あの男が死ねば、自分はこの世で唯一無二の存在になれる。
もともと、自分に影武者などいらなかったんだ。
そんなものがいなくとも、全て自分でこなしてみせる。
自分と瓜二つの存在なんて、不気味なだけだ。
セイラムの話では、影は命には別状ないが衰弱しており、イザリアから届く薬を飲んだとしても、回復にはかなりの時間がかかるとのことだ。
しかし、8日後には重要な来賓を招いている。
父は回復が間に合うだろうが、影は無理だろう。
そこで、途中で影と入れ替わり完治したことにして、1週間後にはセルファが表に出ることになった。
もちろん、昼だけではなく、夜も。
父の病状はそう重くはないらしい。恐らく1週間もしない内に全快するだろう。
しかし、影は重症化しているという。
(いっそ、そのまま死んでしまえばいい)
セルファの脳裏に一瞬残酷な思いが過ぎる。
あの男が死ねば、自分はこの世で唯一無二の存在になれる。
もともと、自分に影武者などいらなかったんだ。
そんなものがいなくとも、全て自分でこなしてみせる。
自分と瓜二つの存在なんて、不気味なだけだ。
セイラムの話では、影は命には別状ないが衰弱しており、イザリアから届く薬を飲んだとしても、回復にはかなりの時間がかかるとのことだ。
しかし、8日後には重要な来賓を招いている。
父は回復が間に合うだろうが、影は無理だろう。
そこで、途中で影と入れ替わり完治したことにして、1週間後にはセルファが表に出ることになった。
もちろん、昼だけではなく、夜も。