大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】
「確かにラミリアはたまに巫女の資質を持って生まれる人はいるけど、私は違うわ。至って普通よ」
ミトは姿勢を正した。
「本当か?隠してるんじゃねーの?」
疑いの眼差しを向ける男。
「そんなわけないじゃない。資質を持っていれば、小さな頃から巫女の教育を受けるはずだもの」
「巫女とは違う力ってことか?」
「知らないわよ。それよりあなた誰なの?いい加減教えてよ。そうじゃないと、話が進まないわ」
「さっきの取り乱しようから一転、割と冷静だな」
「そりゃ、自分の寝室にわけわからない男が入ってきたら、恐くてパニくるわよ。
でも、あなたには敵意がないみたいだし、もしかしたら何かローザンの事情があるのかと思って、ひとまず落ち着くことにしたの」
「やっぱ、あんた特殊な何かを持ってると思うぜ」
男は肩をすくめた。
ミトは良くわからず首を傾げる。
「人を見る目が尋常じゃない。普通をはるかに超えるレベルだ。だから、見破られたんだろうな」
「わかるように説明してよ」
さっきまでの軽い表情から、男は真剣な顔に変わった。
「他言無用だ。今度こそ、約束できるか?」
「できるわけないじゃない」
ミトの答えに男はガクっとずっこけた。
割とお茶目なのかもしれない。
「それじゃ言えない。これは国家機密だからな」
「じゃあ、私は今すぐ部屋を飛び出して、あなたが別人だって皆に訴えることにするわ」
「どうぞご自由に」
男は余裕だ。
とっておきの切り札を出したつもりなのに、男が全く動じないので、ミトは内心慌てた。
ミトは姿勢を正した。
「本当か?隠してるんじゃねーの?」
疑いの眼差しを向ける男。
「そんなわけないじゃない。資質を持っていれば、小さな頃から巫女の教育を受けるはずだもの」
「巫女とは違う力ってことか?」
「知らないわよ。それよりあなた誰なの?いい加減教えてよ。そうじゃないと、話が進まないわ」
「さっきの取り乱しようから一転、割と冷静だな」
「そりゃ、自分の寝室にわけわからない男が入ってきたら、恐くてパニくるわよ。
でも、あなたには敵意がないみたいだし、もしかしたら何かローザンの事情があるのかと思って、ひとまず落ち着くことにしたの」
「やっぱ、あんた特殊な何かを持ってると思うぜ」
男は肩をすくめた。
ミトは良くわからず首を傾げる。
「人を見る目が尋常じゃない。普通をはるかに超えるレベルだ。だから、見破られたんだろうな」
「わかるように説明してよ」
さっきまでの軽い表情から、男は真剣な顔に変わった。
「他言無用だ。今度こそ、約束できるか?」
「できるわけないじゃない」
ミトの答えに男はガクっとずっこけた。
割とお茶目なのかもしれない。
「それじゃ言えない。これは国家機密だからな」
「じゃあ、私は今すぐ部屋を飛び出して、あなたが別人だって皆に訴えることにするわ」
「どうぞご自由に」
男は余裕だ。
とっておきの切り札を出したつもりなのに、男が全く動じないので、ミトは内心慌てた。