大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】
「え?」

しらばっくれるミト。

「…まだセイラムのことが、好き…か?」

少し躊躇したが、セルディオはストレートに聞いた。
今のミトの気持ちを聞きたかったからだ。

「そういうこと、聞く?」

上目遣いでセルディオを睨むミト。

「ああ。聞かせて欲しい」

セルディオは真剣な眼差しでミトを見つめる。
セルディオのいつもと違う雰囲気を察して、ミトは真摯に答えることにした。

「そりゃ…ね、まだ1ヶ月ちょっとしか経ってないし、好きかって聞かれたら、好きよ。気持ちってそんなに簡単に変わらないものなんだね」

「そうか…」

セルディオはミトの答えに落胆した。

「でもね、ずいぶん気持ちを切り替えられるようになったと思うの。前みたいに、気がついたらず~っとセイラム様のことを考えているようなこともなくなったし。この前の王宮探検も、心から楽しむことができたわ。
セルディオもこうやって話を聞いてくれるし、きっと、その内忘れることできるんじゃないかなって思えるようになったの。これって、結構進化してるでしょ?」

ミトはセルディオに褒めてほしくて、期待の眼差しを向けた。

「そうだな」

しかし、セルディオはそっけない。

「そうだなって、感想それだけ?」

「いや、元気になってきたんだから、良かったんじゃねーの?」

「なによ、自分から聞いておいて、その投げやりな受け答え」

ムッとするミト。
くるくると表情が変わる。
とても生き生きしていて、それだけミトが元気になったということが良くわかった。
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