悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
「それではまず、この部屋から確認をしましょう」
「わかった。私、こっち見るね」
ジャンに指示されて早速一つ目の部屋にジャンと共に入る。
私はとりあえずジャンや騎士たちと一緒にユリウスの痕跡を探し始めることにした。
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「ジャン!そっちは調べたぞ!」
しばらくクラーク邸内の捜索を続けていると、フランドルの騎士の1人がジャンにそう声をかけてきた。
「そうか。何かわかったか?」
「いいや。何もわからずだ」
「ならもう一度調べてみよう。念には念を入れて、だ」
騎士とジャンが真剣な表情で話している様子を私は横目で確認する。
ジャンから離れるなら今だ。
そう思った私はゆっくりジャンから距離を取り始め、ある程度離れると、バレないように近くにあった部屋に入った。
そのまま状況を把握する為に、扉に耳を当て、外の音を聞く態勢に入る。
あとはジャンが私がいないことに気がついて、ここから離れれば完璧だ。