悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜





「あの…。本当に後は自分でやりますから」



不本意だが、一通り洗われてしまった私に残されたここでの工程はバスタブから出て、この泡を洗い流すことだけだ。

さすがにそれは私自身でやろうとおずおずとメイドたちを見たが、メイドたちはそんな私にふわりと笑った。

あ、これ、多分ダメなやつだ。
メアリーが私の主張を否定して、私のお世話をする時の笑顔によく似ている。



「この後はマッサージもございますからね。心身ともにリラックスできる香を焚いております。きっとさらに疲れが取れることでしょう」

「…あ、はい」



メイドの丁寧な説明に私は苦笑いを浮かべる。そもそも聞く耳さえも持ってもらえなかった。

その後、私はメイドたちにされるがまま、服まで着せられて、マッサージ専用の部屋へと案内され、ふわふわベッドの上で極上のマッサージを受けたのだった。




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