悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜





「さぁ、今度は食事にでもしようか。ここの特産は肉でね。特に牛肉がとても美味しいんだよ」

「…そうなんですね」



呆れている私なんてお構いなしに、ロイが話を進めるので、私は何とか笑顔を作る。

ロイの言動には首を傾げざるを得ないが、それでもこれから運ばれてくるであろう肉料理に、私は内心わくわくしていた。
そもそもロイに会うまでは、美味しい昼食を求めて、街の中を彷徨っていたのだ。
お腹が減り過ぎている時に、最高級の肉料理とは最高すぎではないか。

これからこの目の前のテーブルに並べられる、肉料理の数々に、期待を膨らませながらも、私は肉料理が運ばれるのを待った。

この皇太子による素敵なおもてなしはまだまだ始まったばかりみたいだ。




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