悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
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それから私はロイと一緒に最高級の肉料理を楽しんだ後、ふわっふわのソファの上でゆっくりと過ごしていた。
「それでいろいろあったんだけど、結局はピエールが1人で右往左往していてね。最後にはもう力技でピエールが全部解決していたよ」
「あはは。ピエール様すごいですね」
「ああ、彼は本当に優秀な人間だ」
私の隣で面白おかしく話すロイの話に私は笑いながら相槌を打つ。
力技で解決するしかなかったピエールには、心の底から同情する話だったが、それでもあの局面から解決へと導いたピエールに、私は心から感心していた。
さすがロイが選び、そばに置き続ける右腕だ。
「…」
…それにしても眠い。
ロイとの会話がつまらない訳ではない。むしろとても楽しい。
それでもどうしても眠たくなる。