悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
「…セス」
布団を握る右手に力がこもる。
私をここへ連れて来た張本人、セスの登場に緊張が走った。
セスは何度も言うが、リタの専属執事だ。
私を処分する為に私を捕えたのだ。
いつ攻撃されてもおかしくはないし、足に感覚がない今、反撃することさえも難しい。
今の私は完全に不利な状況だ。
「…あぁ、そんなお顔をしないでください。俺はアナタの執事なんですよ?」
セスを警戒する私にセスが悲しそうに微笑む。
それからゆっくりとこちらに近づいてきた。
「…っ」
そんなセスに私は身構える。
…動ける上半身だけで少しでも抵抗するしかない。
セスの次の動きを注意深く観察し、少しでも反撃のチャンスを逃さまいと集中していると、セスは私の傍までやって来てそっと私の頬に触れた。