悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜




「…ステラを早く見つけなければなりませんね」

「そうだね」



俺の言葉にロイ殿下も頷く。

どの道ステラが危険に晒されているということは間違いない。
子どもだろうと大人だろうとステラはステラだ。
大切な存在であることに変わりはない。

ここからずっと遠くへ逃げていたとしても、ステラは幸せにはなれない。
フランドル邸で何不自由なく安全に生きることこそ、ステラの幸せに繋がるはずだ。



「ステラの捜索だが、僕はルードヴィング伯爵の周りも徹底的に調べた方がいいと考えている。それからステラの今後の安全の為にもルードヴィング伯爵を早く捕えた方がいいだろう。その為にはいろいろな書類や証拠が必要になってくる。そこでユリウス。君の力を貸して欲しいんだ」

「ステラの為でしたらいくらでも力をお貸します」

「そう言うだろうと思ったよ。では、今後のことについて話し合おうか」



俺の返事を聞いて、ロイ殿下が不敵に笑う。
こうして俺たちはステラを探し出し、ステラの今後の為にも必要なことについての話し合いを始めた。
そしてこの話し合いは何時間にも渡り行われた。






< 257 / 313 >

この作品をシェア

pagetop