悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
それなのに今日のリタ様の予定は違った。
学院からの帰宅時間が18時と記載されている。
リタ様は俺が昼休憩をしている間に学院へと向かった。
その出発時間はおそらく13時くらいだろう。
いつもとは明らかに学院への滞在時間が違う。
…学友との時間を過ごす、または何かやりたいことがある。
どれもリタ様らしくない滞在理由だ。
一体何を思っていつもよりも長く学院に滞在することを決めたのかと思ったが、俺は早々にその理由を考えることをやめた。
今考えても正しい答えに辿り着けるわけではない。考えても不毛なので、仕事をした方がいい。
俺は考えを切り替えて、騎士小屋へと向かうことにした。
ルードヴィング伯爵様に頼まれていた備品管理をする為に。
*****
騎士小屋は名の通り、騎士の小屋であり、ルードヴィング邸内には存在しない。
庭を歩き、少し開けた場所にそれは存在する。
俺は騎士小屋に辿り着くと、慣れた様子で騎士小屋へと入った。
「ああ、セスさん。こんにちは」
「こんにちは!セスさん!」
俺が騎士小屋に入ってきたことによって、若い騎士たちが俺に笑顔で挨拶をする。
俺はそれに応えながらもふとあることに気がついた。