悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
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思えばここ数日、俺の機嫌も最高によかったが、リタ様の機嫌もとてもよかった。
まるで全てが思い通りになっていた、ステラ様がリタ様の代役を務めていた時のようにリタ様は生き生きとしており、誰かを痛ぶることを楽しむ、そんな目をしていた。
新しいおもちゃでも見つけたのだろう、とリタ様の変化を特に気にも留めていなかったが、もし、その新しく見つけたおもちゃがステラ様だったのなら。
…いや、そんなことはないはずだ。
最悪のシナリオを考えすぎだ。
「あら?セスさんじゃないですか」
馬車庫へとやって来た俺を明るい笑顔で馬車庫の管理人が迎え入れ、「何かご用ですか?」と聞く。
俺はそんな管理人に手短にリタ様が向かった場所について問いかけた。
「え?ご存知ないのですか?」
「…」
俺の問いかけにおかしそうに口を開く管理人にまた嫌な予感がする。
体中がぞわぞわして落ち着かない。
「リタ様はセス様のお屋敷に向かわれましたよ?てっきりセス様に関係することだっと思っていたので、セス様も知っているものだと…」
「…っ」
管理人の言葉に頭が真っ白になる。
リタ様がルードヴィングの騎士の精鋭たちを集め、俺の屋敷へと向かった。
犯罪者を捕えに行く、と言って。
リタ様は知っているのだ。
あそこにステラ様がいる、と。