悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
3.彼女の真実 sideロイ
sideロイ
ピエールが採取していたステラとあの女性、僕の探していたリタの血を魔法薬で分析した結果、2人が同一人物であることが判明した。
最初こそ大人であるあの女性と子どもであるステラが何故、同一の人物なのか訳がわからなかったが、宮殿所属の魔法使いによる、魔法研究会に参加していたキースを見つけ、問い詰めたことによって僕は全てを知ることとなった。
ちなみにキースは最初はステラのことを一切僕に話そうとはしなかった。
だが、僕はあの手この手を使い、最後には権力にものを言わせ、キースのあの頑な態度を折った。
ただキースはただではステラの話をしようとはせず、
『ぼ、僕と命をかけて契約をしてください。あの子に絶対に危害を加えない、と。でなければ僕は絶対に何もお話しするつもりはありません』
と、少しだけ震えながら言ってきた。
僕はもちろんステラに危害を加えるつもりなど一切ないので、ステラの情報を少しでも知るためにも迷わずキースと命をかけて契約をすることを選んだ。
こうして命をかけてまで手に入れた情報を元に僕は今日までユリウスを味方にし、ステラの未来の為に動いていた。
そして今日、ステラの最大の脅威であるルードヴィング伯爵を断罪し、捕える。