悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
可愛らしいメアリーに癒されながらも、早速、メアリーと共に身支度をするために、私はセスの手を借りてベッドから降り、メアリーの元へと向かう。
それからメアリーと一緒にこの部屋にある洗面所へ行こうとすると、ユリウスが「待て」と私たちを止めた。
「メアリー、ステラの今日の髪型はゆるく巻いてまとめて欲しい。それから服は黄色系統を」
「はい!かしこまりました!今日もステラ様を美しく仕上げますからね!」
「ああ、だがこれはあくまで俺の希望だ。最優先すべきはステラの希望だということを忘れるな。今日もよろしく頼む」
「はい!ユリウス様!」
ユリウスは私の保護者かな?
お子さんの晴れ舞台の格好でも決めているのかな?
真剣な表情のユリウスと明るい笑顔のメアリーの会話を聞いて私はただただ苦笑する。
だが、これもここではよく見慣れた光景の一つだった。