悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
「そう言えばステラ、家庭教師のライアスさんがアナタのことをとっても褒めていたわ。まだ12歳だというのにあまりにも吸収が早いって。一度聞いたことなら全て覚えるし、応用まで完璧だとか」
「剣術のヴィルも言っていたな、ステラには剣術の才能があると。ステラのレベルは同年代とはかけ離れているとか」
「ステラの剣術なら俺も見ましたが、とても優秀でした。あれなら騎士になるのもいいでしょう」
私の話は終わったとばかりに夫人、公爵、ユリウスが一斉に話し始める。
私の話は私の中では終わっていないのだが、こうなってしまったらもうどうしようもない。
私は疲れた笑顔を浮かべて彼らの話にいい感じに相槌を打ちながら食事を口へ運んだ。