悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜





「自分で降りられるよ」

「それで?降りてからどうする?逃げるのか」

「この距離で?逃げられる訳ないじゃん」

「だったらここに降りて来ればいい」

「何でよ」



相変わらず冷たく無愛想なユリウスの言葉に呆れてため息を漏らす。
どうやら絶対に私を受け止めたいらしい。この鉄仮面は。



「わかったよ…。今降りるから」



ユリウスの方へ行こうが行かまいがどっちにしろ逃走は失敗したので私はユリウスのお望み通りユリウスの胸に降りることにした。

塀の上からユリウスに向かって飛び降りる。
ユリウスはそんな私を見事に受け止め、ぎゅぅと力強く抱き締めた。



「危ない遊びはするな。わかったか」

「はーい」



私を抱き締めるユリウスから怒りの声が聞こえる。
私はそんなユリウスに適当に返事をした。




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