悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
3.脱出計画第一歩!
sideステラ
公爵邸にお世話になり始めて早3ヶ月。
私の目の前で何故か優雅にアフタヌーンティーを楽しむこの男を見て思う。
私は一体この公爵邸の…いや、この男のなんなのだ、と。
「あのー」
「何だ?」
「何でユリウスがここにいるの」
「学院も騎士団も休みだからだ」
気まずそうに質問をする私をおかしなものでも見るような目でユリウスが見る。
いや、その目を向けたいのは私の方なのだが。
時間があるからといっていちいち私のところに通い詰めないで欲しい。
今日は授業も何もない自由に過ごせる1日だ。
なので私はメアリーにお願いして、お気に入りの花畑にアフタヌーンティーセットを準備してもらっていた。
そして何故かそこに当然のようにこの男が現れたのだ。
何なんだ、コイツは。
「あのさ」
「まだあるのか」
またユリウスに質問しようとするとユリウスが今度は何だと言いたげに私を見る。
「私って一体なんなの」
私はそんなユリウスについにずっと思っていた疑問を口にした。
公爵一家の血縁の者でもなければ、使用人でもない。
そんな私がここに居続ける意味がわからないのだ。