冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
ただ、私がひとりで産むことを同居の弓弦がどう思うかだけが心配だった。
弟が双子との生活を負担に思うなら、別々に暮らすことも視野に入れなければいけない。お金の問題があるけれど、最悪借金をしてでも弟の権利は守らなくちゃ。
そんな覚悟を持って慎重に相談した結果、弓弦の第一声は「マジか!」だった。
その表情は決して迷惑そうではなく、まだ双子がいるとはわかる見た目をしていない私のお腹に視線を注いで、感慨深そうな顔になる。
「双子の甥か、双子の姪……いや、男女って可能性もあるよな。えっ? 絶対かわいいじゃんそんなの、やば……」
生まれた後のことを色々想像したらしい弓弦は、それから居てもたってもいられなくなったらしい。シングルマザーが利用できる制度をスマホで調べ始め、しばらくすると画面を見つめて難しい顔になる。
「これ、制度知らないと絶対損するなー……法律もどうなってんだろ……」
それからしばらくブツブツ言っていた弓弦は、なにか思いついたように顔を上げる。
「俺、前みたいに……つか、それ以上に真面目に勉強するわ。なりたい職業とか明確なものはわからないけど、法律に詳しい人になりたい。誰かを守りたいと思った時、その方が絶対得だもん」
そう言った弓弦は、生まれ変わったような目をしていた。
このところ見失っていた勉強へのモチベーションを、突然取り戻したかのように。