冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
「……弓弦、賛成してくれるの? この子たちを産むこと」
「賛成もなにも、もう姉ちゃんの中で頑張って生きてんだろ? 高校生にして叔父さんになるのはちょっと複雑だけど、知っちゃったからには会いたいし、絶対抱っこしたい」
「ありがとう。でも、きっと実際生まれたら弓弦の勉強の妨げになっちゃうから、その時の生活について、別居とかも視野に入れてはまた色々相談を――」
「却下。これまで姉ちゃんが俺を心配してくれてたように、俺にも心配させて。それに、これまでの恩返しだって全然できてないんだから、一生懸命叔父さんやらせてよ。勉強は環境よりも俺のやる気次第だから、なんとかなる」
「弓弦……」
弟の頼もしい笑顔が、潤んだ視界の中で揺れる。
弓弦はこうして時々、七歳の年の差なんか軽々飛び越えて、弱気な私の心を支えてくれる。
だからくじけそうになった時でも頑張らなきゃって、私ももう一度自分を奮い立たせることができるのだ。
「じゃあ、お言葉に甘えるね。でも、やっぱり無理だと思ったら、その時にはちゃんと相談して。自分の判断で、修学旅行の手紙を勝手に書いちゃったりするのはもうナシだよ」
「……その件は重々反省してます」
気まずそうに笑う弓弦を見て、私にもようやく笑顔が戻る。大変なことはきっとたくさんあるだろうけれど、私たちならきっと大丈夫。
根拠がなくても気丈にそう思えた。