大好きな君と、初恋の続きを
「やっぱり青羽だったか」
「社長……!」
一瞬目を大きく開いた新涼くんは、少し身を屈めて「ライトフルの須栗社長」と私に教えてくれた。
この方が新涼くんの会社のトップ……!
おそらく三十代で想像より若く、ヨーロッパ系のハーフのようなとても綺麗な顔立ちをしている。新涼くんとはまた違うタイプの王子様系イケメンだ。
周りの人に若干注目されているも、彼は気にする素振りもなく全開にした窓に肘をかけ、新涼くんに向かって喋り続ける。
「どうしたんだ、ラーメン屋でもないのにこんな列に並んで」
「ここ、どこかわかるでしょう。バスを待ってるんですよ。ていうか、タイミング悪すぎです」
新涼くんは仏頂面で歯に衣着せぬ物言いをするし、社長も下の名前で呼んでいるところからして、気心知れた仲なんだな。彼の言う通りすごいタイミングだったけれど。
ふたりのやり取りがおかしくてくすっと笑うと、須栗社長の瞳がこちらに向いた。一度背筋を伸ばして「こんばんは」と頭を下げる私を、彼はまじまじと見て挨拶を返す。
「ああ、こんばんは。……え、青羽の彼女?」
「違いますけど、邪魔されたくはないです」
またもや率直に返す新涼くんと私に、社長は意味ありげな視線を交互に向けた。
なにか納得した様子で「へえ、そういうこと」と呟くと、口角をくいっと上げて私たちに手招きする。
「社長……!」
一瞬目を大きく開いた新涼くんは、少し身を屈めて「ライトフルの須栗社長」と私に教えてくれた。
この方が新涼くんの会社のトップ……!
おそらく三十代で想像より若く、ヨーロッパ系のハーフのようなとても綺麗な顔立ちをしている。新涼くんとはまた違うタイプの王子様系イケメンだ。
周りの人に若干注目されているも、彼は気にする素振りもなく全開にした窓に肘をかけ、新涼くんに向かって喋り続ける。
「どうしたんだ、ラーメン屋でもないのにこんな列に並んで」
「ここ、どこかわかるでしょう。バスを待ってるんですよ。ていうか、タイミング悪すぎです」
新涼くんは仏頂面で歯に衣着せぬ物言いをするし、社長も下の名前で呼んでいるところからして、気心知れた仲なんだな。彼の言う通りすごいタイミングだったけれど。
ふたりのやり取りがおかしくてくすっと笑うと、須栗社長の瞳がこちらに向いた。一度背筋を伸ばして「こんばんは」と頭を下げる私を、彼はまじまじと見て挨拶を返す。
「ああ、こんばんは。……え、青羽の彼女?」
「違いますけど、邪魔されたくはないです」
またもや率直に返す新涼くんと私に、社長は意味ありげな視線を交互に向けた。
なにか納得した様子で「へえ、そういうこと」と呟くと、口角をくいっと上げて私たちに手招きする。