ふたりだけのオーキッド・ラグーン
スピード結婚した真紘と瑠樹は、実は結婚式を挙げていない。
真紘が瑠樹に連れられて東京に舞い戻った段階で、すでに瑠樹はシンガポールでの仕事に着手していた。
大企業の御曹司との結婚ともなれば、いまどき奇妙に思うかもしれないが、希望すれば結婚準備期間を取ることができただろう。
でも真紘は、取らなかった。さっさと渡航準備を整えて、瑠樹の待つシンガポールへいくのが一番いいと考えていた。そう挙式なんて、優先順位はかなり下だったのだ。
結婚式なしで入籍することに、瑠樹のご両親から何かいわれるかもと覚悟していたが、そんなことはなかった。
そのあたりは案外、融通のきく瑠樹の両親だった。
瑠樹が三人兄弟の三番目ということ、式主役の当人がとっくに渡航して日本にいないということ、結婚するふたりは海外で新婚生活を送るということで、お披露目は後日でもいいだろうという。意外にのんきなご両親であった。
これには真紘は助かった。なぜなら真紘の両親が、北峰家に恐縮しっぱなしであったからだ。
そんな挙式なしの事情を、鎌田女史は知っていたのだろうか?
当人らがこだわっていないといっても、結婚式は一世一代のお祝い事である。せめてもの結婚のお祝いとして、この蘭の花を贈ってくれたのだろう。
今朝、瑠樹がちぎったのは、この鎌田女史からの祝いの花。
せっかくのお祝いなのだからもっと大事に扱えばと真紘は思うのだが、妻とのコミュニケーションに使われたとなれば、単純に非難もできず、少々複雑な気分になる。
真紘が瑠樹に連れられて東京に舞い戻った段階で、すでに瑠樹はシンガポールでの仕事に着手していた。
大企業の御曹司との結婚ともなれば、いまどき奇妙に思うかもしれないが、希望すれば結婚準備期間を取ることができただろう。
でも真紘は、取らなかった。さっさと渡航準備を整えて、瑠樹の待つシンガポールへいくのが一番いいと考えていた。そう挙式なんて、優先順位はかなり下だったのだ。
結婚式なしで入籍することに、瑠樹のご両親から何かいわれるかもと覚悟していたが、そんなことはなかった。
そのあたりは案外、融通のきく瑠樹の両親だった。
瑠樹が三人兄弟の三番目ということ、式主役の当人がとっくに渡航して日本にいないということ、結婚するふたりは海外で新婚生活を送るということで、お披露目は後日でもいいだろうという。意外にのんきなご両親であった。
これには真紘は助かった。なぜなら真紘の両親が、北峰家に恐縮しっぱなしであったからだ。
そんな挙式なしの事情を、鎌田女史は知っていたのだろうか?
当人らがこだわっていないといっても、結婚式は一世一代のお祝い事である。せめてもの結婚のお祝いとして、この蘭の花を贈ってくれたのだろう。
今朝、瑠樹がちぎったのは、この鎌田女史からの祝いの花。
せっかくのお祝いなのだからもっと大事に扱えばと真紘は思うのだが、妻とのコミュニケーションに使われたとなれば、単純に非難もできず、少々複雑な気分になる。