一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む

『小隊長は、ずっと一途に宇多見を思っているっすよ』

　勘違いではない。
　他人からも関宮先輩が私を好きなことが丸わかりなのだと、青垣くんの言葉で気づかされてしまったからだ。

　ずっと見てみぬふりをしてきた。
　自分が傷つくのが怖いから。
　関宮先輩を拒絶すれば、すべてが丸く収まると思い込んでいたのだ。

　ーーでも、それは私の勘違いだった。

　私がどれほど彼に対する気持ちを否定したとしても、関宮先輩は心の奥底に沈めた気持ちに気づき、それを引き出そうとしてくるから。

「――星奈さんと話をしたいなら、俺を通してからにしてよ」

　彼を好きと言う気持ちを認めない限り。
　関宮先輩はこんな風に、私を守り続けるだろう。