一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
7・姉と妹
香月先輩と私は婚姻届を提出し、無事に夫婦として一緒に暮らすようになり……。
妹が経営していたカフェの火災は、マンション放火事件と同じく大々的に報道された。
『大変だったね。陽日ちゃん』
『中途半端に建物が残っていると保険も降りないし……。建て替えるのにもお金がかかるだろう』
『安心して。僕達がお金を出し合って支援するよ』
『ほんと? ありがとう! みんな! 大好き!』
最初こそある日突然店を失った陽日に常連達が押しかけ、優しい言葉をかけていたが……。
出火原因が料理中の不始末と報道されるや否や、妹に手を差し伸べてくれた人々は蜘蛛の子を散らすように去って行く。
「何よ! みんなして! 支援してくれるって言ったじゃん!」
関宮さんにこれで最後だからと無理を言って店の片つけを手伝っていた私は、髪を振り乱し苛立った様子で地団駄を踏む妹の様子を彼と一緒に遠くから見ていた。
「星奈さん。もう、いいでしょ」
「うん……」
両親が残してくれた大事な調理器具を無事に回収した私は、香月先輩に促されて裏口の扉を開く。
妹が経営していたカフェの火災は、マンション放火事件と同じく大々的に報道された。
『大変だったね。陽日ちゃん』
『中途半端に建物が残っていると保険も降りないし……。建て替えるのにもお金がかかるだろう』
『安心して。僕達がお金を出し合って支援するよ』
『ほんと? ありがとう! みんな! 大好き!』
最初こそある日突然店を失った陽日に常連達が押しかけ、優しい言葉をかけていたが……。
出火原因が料理中の不始末と報道されるや否や、妹に手を差し伸べてくれた人々は蜘蛛の子を散らすように去って行く。
「何よ! みんなして! 支援してくれるって言ったじゃん!」
関宮さんにこれで最後だからと無理を言って店の片つけを手伝っていた私は、髪を振り乱し苛立った様子で地団駄を踏む妹の様子を彼と一緒に遠くから見ていた。
「星奈さん。もう、いいでしょ」
「うん……」
両親が残してくれた大事な調理器具を無事に回収した私は、香月先輩に促されて裏口の扉を開く。